ドキュメント鑑賞☆自然信仰を取り戻せ!

テレビでドキュメントを見るのが好き!
1回見ただけでは忘れてしまいそうなので、ここにメモします。
地球環境を改善し、自然に感謝する心を皆で共有してゆきたいです。
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Ancient Machines 拷問と処刑の歴史


優美にして精巧、冷酷なまでの機能性。
目的はただ1つ、命を奪うこと。
処刑装置は世界的発明を取り込みながら進化し、人々に恐怖と苦痛を与えてきた。
世界で最初に作られた処刑装置はシンプルかつ非常に有効で、自然界における3つの力を利用したものだった。
火、力、重力。
古代、人をしに至らしめる手段として、それらはどのように使われたのだろうか?
社会を発展させた多くの基礎的な発明の裏には、人々の知らない物語が隠されている。
Erio Nelson,phD(Historian,Pacific Lutheran University) 「拷問や処刑の犠牲者達は、社会に変化をもたらしただけでなく、歴史が新たな方向へ向かおうとする時、その転換点としての役割も果たした。」


紀元前570年ギリシャの都市国家は、僭主と呼ばれる独裁者達の支配の下で目覚しい成長を遂げた。
新たなテクノロジーで自分達の都市を発展させた彼らは、またその残忍さでも知られていた。
シチリア島には歴史上最古の処刑装置があったと記録されている。
その名は『Phalarisの雄牛』。


青銅でできた牛のコンセプトは単純だが、処刑としては残酷の極みといえる。
なぜならこれは楽器でもあるからだ。
古代ギリシャ人にとって雄牛は絶対的力の象徴であり、神話のミノタウロスが有名なのもそのため。
そして昔のギリシャ人の中には、牛の頭を持ち、生贄を要求する神Molechを侵攻する者もいた。


『Phalarisの雄牛』の仕組みはこうだ。
背中の扉を開け、空洞になった体内に犠牲者を閉じ込める。
そして雄牛の腹部を舌から火であぶる。


Michele Boyd(Neurobiologist)「人は暗い場所に閉じ込められ、でられなくなると、本能的に恐怖を感じる。
激しいストレス反応を起こして脈拍が早くなったり心拍数が上がったり、呼吸も荒くなる。
雄牛に火がつけられようものなら、もうパニック状態。」
『Phalarisの雄牛』はオーブンの役目をするのだが、それだけではない。
頭部の内側には真鍮の管が仕込まれており、犠牲者があげる叫び声を、怒った雄牛のうなり声のような音に変換する。
その管について正確な構造は分かっていないが、出てくる音は不気味だったと記録に残っている。


叫び声を牛の声に変えることなど、技術的に可能だったのだろうか?
犠牲者の叫び声は金属が防音壁の働きをするため、外には聞こえない。
音波は高密度の媒体を伝って移動することはできないが、そのうち中の空気が限界以上に熱せられると、犠牲者は必死で管に手を伸ばす。
そしてそこから新鮮な空気を吸っては息を吐き、叫び声をあげる。
トロンボーンのような音だっただろう。
古い記録には、僭主Phalarisが同様にこの音響装置の実験を行ったかが残っている。
彼は雄牛の製作者である芸術家自身を中に入らせ、試しに叫んでみろと命じた。
ところがそれは残酷なワナで、Phalarisは扉に鍵をかけると、実際に火をつけた。
装置は期待通りの性能で、芸術家は最初の犠牲者となった。


金属細工に長けていた古代ギリシャ人にとって、このような作品を作ることは難しくなかった。
Tony Swatton(Biacksmith,Sword and Stone)「青銅は銅と錫との合金で、比較的融点が低く、およそ980℃で取り出す。
実物の牛と同じ450kg近い像を作るために、古代ギリシャ人は青銅板を使っていたと思われる。
火であぶると青銅は、540℃くらいになって、溶けはしないが軟らかくなる。」
Eric Strauss(Engineer,EBS Carbon)「いわゆる伝導過熱という方法で中の人の命を奪う。
炎の大きさによるが、下からあぶるとまず、その位置が熱くなり、そこから周囲に熱が広がってゆく。
全体を均等に熱するには、炎の大きさが重要。」
青銅を通して熱が肉体へと伝わる速さを測定するため、実験を行った。
青銅でボールを作り、チキンを焼いてみる。
チキンを使うことで、どのくらいの速さで熱が肉に伝わるかを見ることができる。
下からバーナーであぶると、青銅は真っ赤になった。
火の位置がずれても、チキンは焼け、フライパンで調理するのと変りはない。
チキンの下に火をあてると、焦げだした。
こうして発生する熱と煙と蒸気で、中にいる者は窒息し、もだえ苦しみ焼け死ぬ。
David Zamorano M.D.(Orthopedic Surgery,UC Irvine)「まず皮膚が焼かれ、ゆっくり体内の水分が奪われ、長時間たつと体は硬く干からびた上体になる。
熱がジワジワと完全なまでに焼き上げる。」
力尽きるまでの時間は推定するしかないが、極度の脱水症状に陥れば、10分と持ちこたえられない。


16年もの間Phalarisは、自分の権力に抗う者を皆、この装置で処刑した。
Nelson「言い伝えによると、Phalarisはこの装置を宴会で使い、楽しんでいたようだ。
人々を招き、牛の鳴き声を聞かせ、肉が焼ける匂いはハーブの香りでごまかした。
室内は肉の焦げ臭さではなく、よい香りが漂っていた。」
『Phalarisの雄牛』は、紀元前554年にPhalarisがその地位を退くとすぐに、海に投げ捨てられたと古い記録に残されている。
しかしそのテクノロジーは今日も健在。
この装置が鳴らすのは、恐怖の音だけだったが、金管楽器は様々な音楽を奏でることができる。


紀元前500年、古代ギリシャが繁栄し、古代ペルシャが活気付いていた頃、一見神話的に見える処刑装置が現在の西ヨーロッパと呼ばれる地域を震え上がらせていた。
毎年5月1日、ケルトの人々は夏の訪れを祝う。
家畜の放牧を始められる時期に来たことを感謝する。


ヨーロッパには今日でも夏の始まりを祝うMay-DayやBeltane祝祭があり、Wickermanを燃やすScotlandの儀式もその1つ。
もちろん現在処罰は行われないが、異教徒を処刑する恐ろしい儀式として最初に記されたのは、紀元前58年Juilius Caesarによってだった。
古代ケルト人は人間や家畜を縛り、巨大な像の中に詰め込んだが、カエサルいわくWickermanの犠牲者は、泥棒や戦争捕虜だったようだ。


古代ケルト人がどのようにWickemanを作ったのか、正確には分からないが、人間や家畜の重みを支えられる頑丈な構造でなければならない。
出来上がったWickermanは、ケルトの神々と行事の参加者を喜ばせるために燃やしてしまった。
夜空に立ち上る炎は、見物人達を魅了した。
炎が上がりやすいように、ケルト人はよく燃える枝や藁でこの像を覆った。
しかし中心となる支柱がなければ火の破壊力ですぐに崩れてしまう。
Eric Strauss「彼らは木を切って土台や柱として利用したのだろう。
形状からいっても非常に強度があり、簡単に手に入る素材。
巨大な構造物には昔なら円柱、今は角柱を使う。
角柱は物を取り付けたり建築したり、円柱より扱いやすい。
コンクリート製の駐車場には、円柱や角柱が上部からかかる重みを支えるために建てられている。
これに上から負荷をかけると、地面からも同じ力で抵抗を受けるが、これは柱の面積で重さを支えているということだ。」


Wickermanがどれだけの重さに耐えられるかは、その両足の太さで決まり、さらに大きな直径の足があれば、たとえ炎に包まれても簡単には崩れなくなる。
柱を太くするほど、巨大像は長く立っていられる。
古代ケルト人は角柱を削るような高度な技術を持っていなかったため、寄り合わせた縄で木の枝を結び、円柱状の柱を作り出した。


今回再現するものは、釘を使っているが高さのある像の重さを支える基本的な設計は昔と同じ。
古代の人がそうしたように、夜火をつける。
全体を藁で覆う。(焚きつけ)
火がつきやすいので、すぐに燃え始める。
そこから木材の方に火が移る。
中にいる犠牲者にとって火のまわりが速いことは苦しい死が迫っていることを意味する。
火が燃え広がる速さと像が崩れ始めるまでの時間がここでのテーマ。
David Zamorano「熱によってすぐ息絶えることはないだろう。
中の人は火傷や、吸い込んだ煙、器官の腫れによる酷い傷みにもだえ苦しむ。
基本的に炎によるダメージとは、水分を奪われること。」
Strauss「火は外側から内側に進んでゆく。
柱において一番強度があるのは外側で、全体の重量を支えているのはそこ。
柱の中央、中立軸と呼ばれる部分、はドリルで穴を開けたとしても構造的に強度がおちることはない。」
今日行われているWickermanの巨人像の儀式と違い、7mほどの複製は、人形3体ほどのスペースがある。
炎がWickermanを飲み込むまで、どれくらいの時間がかかるだろうか?
藁は燃えやすいため、火はすぐに広がってゆく。
炎に包まれ、犠牲者は容赦なく焼かれゆく。
焚きつけ部分を焼き尽くすと、炎は骨組みに襲いかかる。
Stauss「木材の内側まで燃え始め、木が欠けてきている。
こういている間にも骨組みはどんどん弱ってゆく。」
複製は腕の重みにつられて横に倒れた。
この実験から古代ケルトのWickemanは、数時間かかけて燃やされたものと考えられる。


Wickemanはシンプルな装置だが、重量のある構造物を造る際の建築技術を利用していた。
現在のスチールやコンクリートの柱も、Wickermanと同様の工学原理を用いて道路や橋のとてつもない重さを支えている。


火と熱の力を利用した処刑装置を使いこなすようになると、処刑人は最も古く最も重要な発明品に目をつけた。
車輪だ。
そのシンプルなデザインと物理的な特性は、処刑道具として様々な使い方ができる。
起源ははっきりしないが、恐らくローマ帝国時代前半に登場し、初期のクリスチャンや反逆者の処刑に使われていた。
Erio Nelson「車輪は革命をもたらした。
移動に関してだけでなく、処刑に関しても。
そしてテクノロジー、処刑、拷問は同じ道をたどると証明している。」
大車輪のデザインはシンプル。
普通の馬車の車輪2つを何枚もの板でつなぎ、丸い筒状にする。
この形だと坂を転がりやすく、ゴツゴツした地面でも跳ねながら進めてスピードも出る。
Eric Strauss「単純な計算だが、これを重力に任せて斜面を転がせば、時速190キロでの自動車事故と同等の力が生じる。
この車輪が回転運動をはじめ地面のような静止している物にぶつかると、衝撃力が生まれる。
回転ごとに車の衝突事故を起こしているようなもの。
さらに丘のふもとが近づくほど、スピードが増してゆく、衝突の度合いも酷くなってゆく。」
坂での激しい回転に耐えられるよう、車輪にはいくつもの工学的工夫がされているが、丘の上に運べるだけの軽さと、勢いをつけるための重さと、岩の衝撃にも耐える頑丈さが必要。
Strauss「回転による加速で生じるエネルギーは、車輪にくくりつけられた人が地面にぶつかる時、受け止めることになる。」


エンジニア達は約84kgのダミー人形で処刑のシミュレーションを行う。
Strauss「どんな物体でもある高さに置くと、位置エネルギーを得て、それはその物体を落とすことで運動エネルギーに変化する。
重力が下に引っ張る。」
ダミーに衝撃力を測定するステッカーを貼り、車輪によって一番大きなダメージを受ける場所を探る。
このステッカーは一定の衝撃力に達した場合のみ反応するようになっていて、作動すると白い液体が赤く変化する。
Strauss「赤いステッカーは骨を折ってしまう衝撃力50Gで作動するので、骨折しそうな場所を選んで貼り付ける。」
50Gの衝撃力は、プロのアメフト選手による全力タックルと同等。
Strauss「オレンジのステッカーは75G、内臓の損傷と内出血を起こす。
これは胴体部分に貼る。」
交通事故の際、ダイアナ妃の肺動脈が切断されたのは、75Gの衝撃を受けたから。
Strauss「頭部に100Gの力がかかれば即死する。
ここには100Gで作動する緑のステッカーを貼る。」
自転車から落ちて頭を打ち付けると100Gの衝撃。
Michele Boyd「このダミー人形は非常に無防備な状態。
防御の姿勢は普通、急所をかばって体を丸めるものだが、これは全く逆。
3〜4回回転すれば、完全にやられてしまうだろう。
頭部には何枚もステッカーが貼ってある。
頭部への強い衝撃は、どの位置であっても致命的だからだ。
しかし回転して最初にぶつけるのは顔面なので、顔面の部分にもステッカーが必要。
特に問題は鼻、例えばバーでの喧嘩で鼻を殴られ骨が折れたとしても、致命的とまではいかないが、この場合地面とぶつかった衝撃は鼻を砕き、骨の破片を脳まで飛ばし、死を招くことになるだろう。」
ダミー人形を仰向けの姿勢で車輪にくくりつけ、下まで転がしてどうなるか実験する。
Strauss「丘を下るスピードが予想より遅かった。
両側の車輪の重さとそのぐらつきで、勢いが落ちたと思われる。
だが一方ムチのしなりのように、ダミーの首がガンガン揺れて、回転する度頭は地面に叩きつけられた。
あんなふうにダメージを受けやすい動きをしていたら、間違いなく首が折れてしまう。」
ダミー人形の頭部に貼り付けた衝撃力測定ステッカーにも反応があった。
つまり大車輪が100Gもの致命的な衝撃力をもたらしたということ。
くわえて75Gno胸のステッカーも作動。
この場合、臓器破裂が考えられる。
この結果から見て、車輪刑に処される者は、すぐにあるいは即座に死亡してしまうだろう。


即死に近い車輪刑、この装置に縛り付けられた犠牲者の姿は、人々への警告だった。
ローマ法は非常に懲罰的で、さらに苦しい死を与えるために、車輪を発展させていった。
手動ハンドルで動く細い車輪の記録があるが、それは処刑人がハンドルを操作して、炎や針だらけの台の上を回転させるのもの。
Nelson「大車輪はある意味、日常的なものを残酷な用途に使おうとする時、それをどのように応用すればよいか考え出すことができる、という人間の持つ創造力の証だと言える。」


古代ギリシャの都市国家は、金属や木材の加工技術を発達させながら、力や圧力による処刑を機械化する方法を身につけていった。
紀元前200年、ギリシャの都市スパルタに、人間を機械的に突き刺す処刑装置が登場した。
その名はApegaの像
Nelson「Apegaの像はホメロスの作品から始まった一種のアンドロイドの長い歴史を受け継いでおり、実際アリストテレスとアルキメデスも、生きたように動く関節でつながった人形について書いている。」
Apegaの像の話は、スパルタの僭主Nabisが自分の野望を推し進めるために使ったプロパガンダだという研究者もいる。
Nelson「これはNabisが宮殿で開く寄付金集めの晩餐会で使われていたようだ。
彼は出資者達にワインを振る舞い、自分の計画やスパルタの防衛のために、さらなる資金を引き出そうと説得を試みるが上手くいかない場合、彼は言った。
“私がお前を説得するのは無理なようだが、妻のApegaならできるだろう。”
Nabisの説得を受けなければ、それが最後の晩餐となった。」


Apegaのガウンの下には、高度な装置が隠されていた。
それを活用するためには、犠牲者が騙されるほどリアルな顔にしなければならない。
装置はバネ1本で動く仕組みになており、蝶番式の腕には青銅でできた鋭い釘が今にも突き刺さんばかりに並んでいた。
Strauss「基本的にはまず、装置にエネルギーを送りこむ。
そしてコネクターが外れるか、バネのエネルギーを放出する何かが作動するまで、エネルギーを保持させておく。」
Apegaの胸に仕込まれたバネ止めが外れると、犠牲者の運命が決定付けられる。
Strauss「当時人1人を押さえ込むエネルギーを蓄えて維持するというのは、非常に難しいことあったと思う。」
恐らく犠牲者は装置を人間と間違うほど酔っていたか、彼女の死の抱擁を強要されたかだろう。
今の時代から考えると、釘を取り付けたバネ装置など、簡単に作れそうだが、実際きちんと作動させるためには、類稀な技術と精度を要する。
このApegaの像は熊を捕まえるバネ仕掛けのワナのような仕組み。
Strauss「これはシンプルなクランプで、アーム、回転軸、クリップ部分からなっている。
クリップを開くと前に針が仕込まれていて、Apegaを抱きしめようと近づくとすぐに、その針が飛び出し、挟まれてしまう。
今度は逆に持ってクリップを開こうとしても、そう簡単にはいかない。
Apegaの優れた点は、腕の後ろの構造。」


Apegaの腕を固定するだけの大きなバネをセットするには、大量のエネルギーが必要。
エンジニアはバネを引っ張る長いアームをつけることで、この問題を解決した。
Strauss「原始的な材料しか持ち合わせていないエンジニアが、腕で締め付けたり釘を刺したりする仕組みを作るのは至難の業。
そのままでは開いてしまう2本のアームの間に、湾曲した木材を取り付ければバネを押さえつけておくことはできるが。」
Apegaを本物の人間だと信じさせるためには、背中についた長いアームが見えてはならない。
壁を背にして立たせ、バネ装置を反対側にかくした。
Strauss「人を首の中に閉じ込める。
このようなクランプの仕組みを考えるなんて、当時ではありえないように思える。
バネはかなりの負荷に耐えなければならないし、閉じ込められれた人は、腕を押しのけようとして暴れるだろう。
そのエネルギーを押さえつけられるだけの大きなバネでない限り、Apegaは役に立たない。」



キリスト教の十字架は、よそ者や犯罪人を処刑するために使われていたローマの十字架から生まれた。


現代のフィリピンにも、古代ローマ式の磔の儀式を行っているキリスト教宗派がある。
キリストが十字架に掛けられた日を記念する、聖金曜日に信仰の証を立てる。
こうして磔を受ける者は、重力に抗うことができず、容赦なく下に引っ張られる。
しかしこれがローマの十字架の正確な再現でないことに、彼らは気付いていないかもしれない。


Nelson「ローマ世界を結び付けていたものの1つは都市化における一貫性だったので、どの都市にも公衆浴場や宿泊場があることは周知の事実だった。
また町を訪れれば、磔があることも知られている。
それはローマの権力を示す場所であり、旅行者はローマ市民であれ彼らが支配する人々であれ、その付近を通ることがあった。」
Jonathan L.Reed ph.D(Professor of Religion,University of La Verne)「磔はローマのプロパガンダの一貫。
ローマに反抗するな、お前達もこうなるぞ、とね。
磔にされたのはローマの秩序を脅かした犯罪人達だけだった。
危険人物または危険と思われる人物を十字架に掛けた。
そうやって都市や人々をおとなしくさせるのだが、磔の時間が長いほど効果があるというのがローマの考え方だった。」


Boyd「十字架は重力という単純な力を利用する非常にシンプルな装置で、残酷な形で命を奪う。
傷みが走り、屈辱を受け、野ざらしにされる。
全てが死の原因になりうる。」
犠牲者は朝日の方向に顔を向けられた。
1日中風雨にさらされた。
ローマの十字架は垂直に立てた3〜4mの木の柱からなる。
そのうち3分の1は地面に埋め、完全に固定する。
次に2mほどのPatibulumと呼ばれる横木をてっぺんに載せ、柱のホゾに差し込む。
Strauss「磔は恐らく両側へ均等に腕を広げる形だったのだろう。
柱から地面にかかる重さの均衡がとれる。
中心にある限り、柱には大きな重みがかかる。
ようするに縦棒は人だけでなく、上に載っている横棒も含め、全ての重みを引き受けているということ。」
十字架自体に動く機能はないが、人が貼り付けられると、重力が全ての仕事を行ってくれる。
犠牲者は苦しみながらゆっくりと十字架と一体になってゆく。
Strauss「腕を広げた状態ではりつけられると、真上に伸ばしている場合の2倍の負荷がかかる。
その姿勢なのは、磔台がアルファベットのTの形だったから。
体操競技で吊り輪にずっとぶら下がっていることはできても、十字懸垂で体を支え続けることは不可能。」


磔ではまず、犠牲者に腕を広げさせ、ロープで横木にくくりつける。
そしてローマ兵士が23cmほどの鉄釘をオリーブ剤のワッシャーを挟んで手か手首に打ち込み犠牲者を十字架に固定する。
ローマの十字架のほとんどは、タウ十字と呼ばれるもので、ラテン十字とは異なる。
タウ十字であった理由は、犠牲者を十字に掛けるため、先にPatibulim(横木)を地面に置いた状態で手の部分に釘を打ちこみ、その後横木を持ち上げて柱にはめ込めば、終わりだからだ。
このことからも分かるように、地面に立てられた柱はそのまま残され、何度も使われた。
上に載せる横木だけが交換された。


釘を打っていた位置に関しては、科学者達の意見が分かれるところだが、最近の研究では、手首の尺骨と頭骨の隙間に刺すと犠牲者の体が一番しっかり固定できるとされている。
Reed「問題はそこに釘を打つことで動脈を傷つけてすぐに死なせてしまうかもしれないこと。
そこで多くの研究者は腕をロープで固定しておき、極限まで苦しめるために手のひらに釘を打ったと考えている。
しかしもしロープがなくて、釘だけ刺したとしたら、当然中には裂かれてでも釘から手を外し、十字架から逃げ出す者も現れるだろう。」


もしかすると磔で一番残酷なのは、足に釘を刺すことかもしれない。
傷口がジワジワ広がってものすごく痛いからだというのではなく、皮肉にも犠牲者を一時的に楽にできるから。
Boyd「磔の死因としてよく知られているものの1つに窒息がある。
吊るされると横隔膜が圧迫を受け、息は吸えても吐けない。
そこで磔の犠牲者は息を吐き出すため、本能的に足の釘に力をかけ、肺を押し上げようとする。
体を持ち上げ、横隔膜が伸縮できるようにするわけだが、釘に力をかけることで、損傷した手足の神経を刺激し、猛烈な傷みを味わうことになる。


Boyd「磔では、手と足療法に痛みが走るし、呼吸も困難になる。
そして太陽や雨数、脱水症状、飢え、野生動物などにも苦しめられる。」
いずれにせよ、激しい傷みを伴う死を招くのは重力。
体の弱い部分にダメージを与え続ける。
元々は処刑用だったこの惨い装置、現代社会の大多数の場所においては、熱い宗教的信仰のシンボルとされている。
十字架は地球上で最もよく知られた宗教の象徴に変わったのだ。


ローマが権力の頂点を極め、カエサルが地球上の4分の1の人間を、その支配下とした頃、ローマ帝国は見事なテクノロジーで処刑装置を生み出した。
ローマの町にそびえ立つ15階建て相当の装置は、並ぶもののない工学技術の最高傑作で、5440トンものコンクリートを使っている。
その地下部分には、最新式のエレベーターシステムが隠されていた。
この処刑装置の名は、Flavius円形闘技場(Colosseum)という名称でよく知られている。
西暦79年、試合場であるアレーナの下は地下2階建てになっており、カタコンベのような地下空間が備えられていた。
この暗くて湿っぽい通路には、犠牲者や観客の女性達を驚かせる特別な仕掛けがしてあった。
アレーナに敷かれた砂に隠して、28のトラップドアが設置されていた。
このドアからアフリカライオンなど、巨大な猛獣がアレーナに飛び出し、血の惨劇を繰り広げた。
広いアレーナのどこから動物が飛び出してくるかは検討もつかなかった。
一説によると、この驚きを生み出すために。ローマ人は人力のエレベーターを作り出した。


当時の装置はずっと昔に朽ち果ててしまったが、この説を検証するために、現代の素材を使って再現する。
トラップドア、エレベーターは、奴隷の力を必要とした。
彼らは輪になって軸についたハンドルを押し、その軸を回転させて、亜麻でできた縄を巻き取る。
引っ張られてゆくロープ。
ロープはいくつもの滑車を伝う構造になっている。
滑車には負荷を軽減する作用があり、それを利用することで、すばやくケージを引き上げ、飢えた猛獣を闘技場へ出すことができる。
Strauss「滑車を上下に設置すると、ロープを30cm引っ張るごとに荷物は15cm吊り上げる計算。
その時必要な力は、滑車が増えるごとに分散され、30個あれば30分の1になる。」


ケージがアレーナの床下まで上がると、もう1本のロープがトラップドアのロックを外す。
すると猛獣がスロープになったドアの板を駆け上がり、闘技場へ飛び出す。
猛獣がステージに出ると、別の滑車装置のロープを引っ張ってすぐにドアを閉め、犠牲者と共に猛獣をアレーナに閉じ込めてしまう。
何百年にも渡り数え切れないほどの動物がコロッセウムのエレベーター装置に送り込まれたが、その犠牲者の数は膨大だったとしか言えない。
推定では死傷者の数は50万人くらい。
この数字から、コロッセウムは歴史上最も破壊的処刑装置の1つと言える。
月日の流れや地震によって、建物は荒廃しても、コロッセウムのテクノロジーは文明の進歩に貢献してきた。
今日私達が利用しているエレベーターは、コロッセウムのものと同じ原理。
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