ドキュメント鑑賞☆自然信仰を取り戻せ!

テレビでドキュメントを見るのが好き!
1回見ただけでは忘れてしまいそうなので、ここにメモします。
地球環境を改善し、自然に感謝する心を皆で共有してゆきたいです。
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見えない雷を追え〜驚異の自然現象

雷鳴がとどろき稲妻が駆け巡る。
世界有数の雷地帯オーストラリア、ノーザンテリトリー、雨季の3ヶ月間毎日雷が広い大地に落ち続ける。
先住民族アボニジニの人達の祭、台地に雨をもたらす雷を崇め、雨季を迎える時期に古くからおこなわれている。
顔の化粧は雷を、体に塗る白い絵の具は雲を表現している。
オーストラリア雷多発地帯で不思議な体験をしたカメラマンがいる。
それは稲妻が走る直前のことだった。
「ぱちぱちという金属音が空から聞こえてきた。
周りで静電気が強くなり全身の毛が逆立った。」
稲妻が光る直前、肉眼では捕えられない見えない雷が発生している。
その全貌を記録しようと世界で初めての挑戦が始まった。
立ち上がったのは雷オヤジの異名をとる研究者。
見えない雷を捉え、落雷する位置を事前に特定しようという試み。
雷を探知する高性能のアンテナとNHKのハイスピードカメラをつなぎ、見えない雷の撮影に挑む。
落雷場所は予測できるのだろうか?
映し出された見えない雷、20000分の1秒単位の姿。
不思議の多い雷の世界、その知られざる姿を紐解く。

Australia
オーストラリア、ノーザンテリトリー、11月雨季を迎える。
世界有数の雷が発生する街ダーウィンへやってきた。
この時期ダーウィンでは頻繁に激しいスコールが発生する。
雨があがった夜7時、空の様子が一変する。
町から20kmほど離れたところに雷が発生。
地上に向かっていくつも落ちている。
雲の間を稲妻がひっきりなしに飛び交う。
手前だけでなく奥の雲からも同時に落ちている。
何10分にもわたって凄まじい音と光が続いた。
ノーザンテリトリーの天気を観測している気象局。
周囲300kmが観測できる気象レーダーを20ヶ所のポイントに設置して気象観測を行っている。
雨季の始まる11〜2月までの3ヶ月かんは毎日雷注意報を出し続けている。
赤道の近く南緯12度に位置するダーウィン、雷が多く発生する秘密はこの場所にある。
ダーウィンの上空では内陸から吹く乾いた風の上に熱帯の海を渡ってきた暖かく湿った風が乗り上げ、激しい上昇気流が起こりそれによって大量の水蒸気が吹き上げられ、巨大な積乱雲を生む。
ダーウィンの上空を観察すると、積乱雲がもくもくと立ち上ってゆく。
わずか30分ほどで20mほどの高さに成長。
ダーウィンは別名世界の煙突と言われている。
成長した積乱雲が今度は横に大きく広がり始めた。
その面積は3000k屐東京都がすっぽり納まる大きさ。
こうしてダーウィンの周辺には巨大な積乱雲が毎日いくつも出現する。

Beautiful
花火のように夜空を美しく彩る雷、どうしてそんなに光り輝くのか。
その仕組み・・・積乱雲の中では氷や雹がぶつかり合って静電気が発生。
雲の下の方には大量の電子が蓄えられてゆく。
そして雲が大きくなるにつれて、あふれた電子がそこから飛び出すようになる。
この放電現象が雷。
ダーウィンにできる巨大な積乱雲にはそれだけ多くの電気が溜まっており、雷もとんでもなく多くなる。
落雷の回数を調べる。
同じ場所で30分間撮影を行う。
その回数は600回に達した。
ダーウィンは1時間に2000回も落雷することさえある世界有数の雷地帯。

Chase 追跡
ダーウィンを疾走する1台の車、追っているのは雷。
マイク・オニールさんは雷を追いかけ、写真を撮っている。
マイクさんのようなカメラマンは嵐の追跡者、ストームチェイサーと呼ばれいている。
待つこと30分、積乱雲が発生。
さっそく雷を狙う。
しかしなかなか発生しない。
風が強く積乱雲が流されてゆく。
こんな日もあるさ・・・
雨季を迎えると新聞の一面を飾るのは雷の写真、すべてマイクさんが撮影した。
腕前は超一流、ダーウィンで雷を撮らせたら右に出るものはいない。
マイクさんは雷の激しさに魅せられ、6年前家族を説得しダーウィンに引っ越してきた。
プロのカメラマンではないが、毎年雨季になると仕事そっちのけで雷を追い求め、天空に描き出される芸術的な光の奇跡を写し取ろうとしている。
マイク「雷に同じものはない。
世界中どこを探しても同じ雷の写真はない。」
マイクさんの写真、稲妻が今にも飛び出してきそうな迫力。
撮影する時いつもぎりぎりまで雷に近づくようにしている。
ストームチェイサー歴6年、まさに命がけで撮った写真。

まず雲の状況を確認。
マイク「上昇気流が発生している。
嵐はまだ小さいけど、これから成長する。」
マイクさんにはストームチェイスに欠かせない道具がある。
カメラ、雲のデータを見るパソコン、そしてラジオ。
マイク「周波数をAMに合わせると雷の中の雷の音が分かる。」
放電現象がある雷は、必ず電波を出している。
それをラジオが受信してノイズを発している。
ストームチェイスが始まる。
ラジオから聞こえる雷のノイズがだんだん大きくなってゆく。
マイクさんはダーウィンの中心部が一望できる港を撮影ポイントに選んだ。
夕方になると雷雲が激しく成長を始めた。
ダーウィン上空に積乱雲が沸き立ってゆく。
夜空が光り始めた。
雷のエレクトリカルパレード。
この日は1時間余りも雷が光続けていた。
マイク「太い光を撮れたので満足している。
独特の色味がでている。
綺麗なオレンジ色だ。」
70人のストームチェイサーたちは稲妻の撮影に日々腕を競っている。

Disaster 災害
立ち上る黒い煙・・・落雷による火災だ。
幸い雨が降り自然に沈下。
ダーウィンで落雷被害の報告数は年間およそ300件になる。
そのうちの1つ、1年前の夜雷の被害を受けたお宅を訪ねた。
雷は8mのヤシの木に落ち、地中に埋めた伝染を伝い、上を覆うレンガを吹き飛ばし、屋内へと侵入した。
照明器具や天井のファンなど、電化製品が壊れた。
被害額は200万円ほどになったという。
当時一家は仲間と楽しくホームパーティーをしていた。
雷の気配は誰も感じていなかったという。
そこへ突然落雷した。
いつどこに落ちるのかが分からない、それが雷の大きな脅威。
雷の被害は日本でも深刻、2003年雷は国会議事堂を直撃した。
中央棟を破壊、外壁が崩れた。
修理費用は4800万円もかかった。
この時国会議事堂の周辺では、わずか20分でおよそ100回も雷が落ちた。
落雷の被害の多くは家屋の火災や機械の故障による工場の停止。
被害額は日本全土で年間1000億を超えるとも言われている。
日本もまた、雷多発地帯なのだ。

Electric 電気
ストームチェイサーのマイクさんは雷にさらに近づいて迫力ある写真を撮ろうとしていた。
撮影準備開始・・・しかしマイクさんはずいぶん軽装。
時計やネックレスなど金属も身に着けているが大丈夫?
落雷が始まった。10kmも離れていない。
さらにこちらに向かって強い風が吹き付けてきた。
雷雲が迫ってくる。
マイクさん、すぐさま車に逃げ込む。
車の中なら雷が落ちても大丈夫だとマイクさんは言う。
本当に安全なのだろうか?
日本工業大学、超高電圧研究センターで実験、雷発生装置で乗用車に150万ボルトの雷を落とす。
自然界の雷の数100分の1から、数10分の1の規模で実験。
放電開始!バ〜ン!
金属で囲まれた空間の中は安全、雷の電流は周囲の金属を通って大地に流れる。
【雷からの身の守り方】
1.時計やネックレスなどの貴金属、雷は金属に落ちるとは限らないので身につけていようがいまいが関係ない。
2.ゴム長靴、ゴムなら電気を通さないと思われるが、強い電気の場合、ゴム長靴は効果なし。
3.雷は高い場所に落ちやすい性質を持っている。

特に高い木のそばは危険。
木に落ちた雷が飛び移ってくる可能性がある。
傘や釣竿、ゴルフクラブなど長いものを振りかざすことも危険。
雷注意報がでていたり、雷が発生している時はなるべく外出は控え、建物の中にはいろう。
雨季を迎えたノーザンテリトリー、雨により湿地が広がり、鳥が集まってくる。
生き物たちは雷の季節の到来を歓迎している。

ノーザンテリトリーの北部に広がる世界遺産カカドゥ国立公園には、数万年前に先住民族が描いた壁画が残されている。
雷の神と言われるNamarrgonが、肘と膝を打ち合わせ稲妻を振られた時、北上に楽園ができたと伝えられている。
先住民族はそれぞれの部族に神がいる。
この壁画は雷を神としていた部族が残したものと言われている。

Fable 神話
ノーザンテリトリーの東の端ダーウィンから車で4時間の町ナランバイ、オーストラリアの中で先住民族アボリジニーがもっとも多く暮らす土地。
雷を神とする部族。
雨季を迎え、村の男達はユーカリの林に出る。
長老ジャル・グルウィウィさんが軽く気を叩き音を聞いている。
乾いた音のする木を選んで切り倒してゆく。
この選び方にはわけがある。
切り口を見ると木の芯はシロアリに食われていた。
ジャルさんは叩いて音を聞くことで、空洞ができているかどうかを確認していたのだ。
ジャルさんの息子がユーカリの木で何かを作り始めた。
芯をくりぬいている。
くりぬきやすいようにシロアリに食われている木を選んでいたのだ。

彼らが作っていたのは世界最古の木管楽器と言われているディジュリドゥとうい笛。
その音は雷が鳴り響く様子を表現している。
雨季を迎える祭のとき、これを吹く。
村の人達は祭の練習を始めた。
雷に感謝する踊。
この部族に代々伝わる祭の日をまもなく迎える。

God of Thunder 雷神
雷を神とする信仰はアボリジニだけではない。
天空を支配するというギリシャ神話の神ゼウス、ローマ神話に登場する気象現象を司る神ユピテル、インド神話の軍神インドラ、いずれも雷を自在に操る神として崇められている。

古くから日本でも雷は神様として祀られてきた。
浅草、浅草寺の雷門、提灯の裏側には風雷神門と書かれている。
江戸時代から風雷神門を略して雷門と呼んでいた。
雷門は平安時代、浅草寺を風水害や火災から守るために作られたと伝わっている。
門に向って右側に風神が、左側に雷神が祀られている。
日本で雷神は厄除けの神様として祀られている。
また雨を降らせ、農作物の生育に欠かせないことから農耕の神様としても祀られている。
一方学問の神様として知られる菅原道真、その死後天変地異が頻繁に起こった。
これは道真が雷を自在に操る天神となったためとも言われた。
雷が鳴ったら蚊帳の中に逃げ込んで、「くわばら くわばら」と唱える日本の慣習は、道真の領地であった京都の桑原には雷が落ちなかったという言い伝えから来ているとも言われている。
人々は雷の恐れをなした一方で神として敬っていたのだ。

Hundred
現在使われている100ドル紙幣の真ん中に描かれているのはアメリカの気象学者ベンジャミン・フランクリン。
政治家、実業家、物理学者など様々な顔を持っていた。
雷の正体は放電現象、それはフランクリンによって今からおよそ260年前、1752年に明らかにされた。
フランクリン46歳のこと、雲に向け金属をつけた凧を揚げ、糸の端には金具をくくりつけていた。
凧に雷が落ちた時、金具に手を近づけると火花が飛び散った。
これにより雷が放電現象であることを発見した。
高いビルの上にたつ避雷針もフランクリンの発明。
当時はフランクリンの棒と言われていた。
落雷被害を防ぐ手段としてこの発明は今でも活躍している。

日本でも雷の研究は進められてきた。
ある大学の実験、小型のロケットを雷雲をめがけて打ち上げることで雷の被害を減らそうという試み。
その仕組み・・・ピアノ線をつなげたロケットを雷雲めがけて飛ばす。
そこへ雷を落とすことで電気を地上に吸い取ろうという実験。
ロケットが打ちあがる、その後雷がピアノ線を伝わり地上に落ちた。
こうすることで雷雲から電気を消し去る。
ロケットを飛ばし雷を地上に落とす、これをロケット誘雷という。
現在日本では4つの研究機関がロケット誘雷の研究に取り組んでいる。
これが実用化できれば雷を思い通りに誘導し、落雷の被害を減らすことができると研究者達は期待している。

Investigation 研究
世界でもトップレベル、雷研究の第一人者がダーウィンにやってきた。
大阪大学大気電気学・河崎善一郎教授、雷オヤジの異名をとり、雷の謎を解明したいという情熱は誰にも負けない。
12年前から、町から100km離れた農場を訪れ、研究の本拠地としている。
見晴らしがよく雷の観測に絶好の場所。
32歳で研究を始めた河崎教授は雷を追い求めてアメリカ、中国など11か国の雷地帯を巡る。
1年の4分の1は調査に出かける日々を送ってきた。
そして46歳の時雷の規模や回数が他を圧倒していたダーウィンの地に研究の基盤を置くことにした。
ダーウィンでの研究の結果、開発したのが持ち運びのできる高性能のアンテナ。
このアンテナにより雷の発生した位置を特定することができる。
仕組み・・・まず雷が発生する電波をアンテナが捉える。
すぐにそれを解析し巨大な雲の中のどこで雷が発生しているかを特定できる。
これにより半径30km以内の雷の発生位置が、ほぼリアルタイムで分かるようになった。
アンテナは日本ですでに実用化されている。
奈良、平城宮跡、甲子園球場300個分にもなる広大な土地にアンテナが設置されている。
2010年6月平城宮跡の周囲10km以内に発生した雷をアンテナが捉えた。
発生から10分後、警報が発令され、多くの人達が避難した。
河崎教授はこのアンテナで落雷する位置を事前に特定することを目指している。

Judgment 判定
石川県金沢市、日本で一番雷が多い。
1年間で平均37.4日雷が観測されている。
市内の電気店、この時期テレビ、パソコン、電話機などを修理に持ち込む客が多い。
コンセントから雷の電気が入り、基盤がやられてしまう。
家電への被害の原因は誘導雷という現象にある。
雷が落ちるとおよそ半径100m以内に強い電磁波が発生する。
それが送電線などの金属製のケーブルに流れ込み、高い電圧を発生させる。
それによって高い電流が住宅の中に流れ込み、電化製品が故障する。
家庭でもこの被害を防ぐ製品がある。
一定量以上の電気が流れ込まないように作られたコンセント。
しかし雷が大きい場合流れ込む電気のすべてをカットできるわけではない。
雷が鳴り始めたらコンセントから抜くのがよい。
雷被害に遭った時、気象台に駆け込む必要もでてくる。
雷被害の保障を受ける場合などに本当に雷で壊れたかどうか裏付ける証明を出してもらう。
もとになるのが観測記録。
雷マークが記録されているかどうかで判定する。
観測記録をもとにして出される落雷の証明書、発生時刻や方角、強さが記されている。
1シーズンでおよそ30件の申請がある。

Keep 守り続ける
雷を神とするアボリジニの村では祭のひを迎えた。
子供たちは最後の練習をしている。
顔に化粧を施す。
茶色に白、黒、黄色の点々、この模様は蛇を表す。
腰に巻いた白い布、体に塗った白い絵の具は雲を表現している。
胸に描くのは稲妻、蛇が動くとき雷が鳴り、舌を出す時稲妻が光る、村の神話を体で表現している。
祭が始まる。
村人全員で踊る。
この部族には雷の踊が10種類以上伝わっている。
雷の力強さを表す踊、雷が落ちる場所を探している踊・・・
拍子木のテンポが速くなり、クライマックスを迎える。
砂浜にたてたユーカリの木の周りで雷に扮したアボリジニが踊る。
ユーカリの木を激しく打つ。
地上に雷が落ちる様子だ。
最後には雷が激しい雨を降らせる様子を踊る。
アボリジニ達は自然の恵みを与える雷に感謝の気持ちを表す。
祭はこの部族の中で何万年も前から受け継がれてきた。

Lottery あみだくじ
様々な研究がつづけられてきた雷、いまだ謎に包まれている現象がある。
それは肉眼では捉えられない見えない雷。
稲妻が光る直前、細く弱い電気があみだくじのように枝分かれしながら地上に向かって伸びることが分かっている。
そのうちの1つが地面とつながったところに一気に大量の電気が流れる。
この時初めて目に見える雷となる。
しかしこの光はあまりに早く弱いため、その全体像が映像に記録されたことはない。
もしこの全貌を捉えることができれば、雷の落ちる位置を特定する手がかりになる。
あみだくじのように進むこの見えない雷は、ステップドリーダ(Stepped Leader)と言われている。

Mystery
稲妻が光る直前、不思議な現象を体験した男がいた。
ストームチェイサーのマイク・オニールさんだ。
いつもぎりぎりまで雷に近づいて撮影するからこそ感じた不思議な現象だった。
2年前の12月、自分のわずか30m前に雷が落ちた。
その時撮った写真、まっ白に飛んだ画面が落雷の強烈さを物語っている。
この直前・・・
マイク「パチパチという金属音が空から聞こえてきた。
静電気が強くなり、全身の毛が逆立った。」
雷が落ちる所には直前に電気が降って来ている。
マイクさんはこうした経験からステップドリーダの存在を知った。
いつか写真に収めたいと考えている。

News
河崎教授、ダーウィンの気象局を訪ねる。
今シーズンの雷の発生状況について気象局の最新の観測データを聞く。
局長アンドリュー・タッパーさん「雷はとても活発になっている。」
所長によると今年はペルー沖の冷たい海水が太平洋に張り出すラニーニャ現象が起きていて、オーストラリア沖合に温かい水が集まってきているとのこと。
積乱雲が発生しやすくなるという。

Operation 作戦
河崎教授、今回の研究の最大のテーマはステップドリーダの全貌を捉えること。
落雷のメカニズムを時証、落ちる場所の手掛かりをつかもうという。
新兵器、肉眼では見えない映像が撮影できるウルトラハイスピードカメラ、肉眼では見えない世界を何万分の1秒単位でみることができる。
このカメラを雷の発生位置を特定できる河崎教授尾アンテナと接続する。
アンテナが雷の発生場所を感知するとカメラの録画スイッチが自動で入り、見えない雷発生の瞬間を撮影できる仕組み。
このカメラで2万分の1の世界に挑む。

Quest 探求
撮影準備が整った。
夕方、突然雲が光り始めた。
カメラを構えるが見えない雷をなかなか捉えることができない。
2万分の1秒の映像を捉えるには雷までの距離が少し遠すぎる。
この日撮影できたのは、わずかな光だけ。
雷までの距離が遠く、明るさも足りない。
雷撮影は難しい。
翌日同じ場所でセッティング、レーダーによるとここから南に行ったところに巨大な雲が発生していた。
ストームチェイスの開始。
南に走ること2時間、ついに積乱雲を捕まえた。
レーダーの情報で雲の位置を確認、積乱雲からわずか10kmの距離にまで近づいた。
撮影開始、明るさは十分。
しかしこの日もステップドリーダを捉えることはできなかった。
多数の雷が発生したものの、すべて雲の中の放電現象だった。
アンテナが反応し、カメラの録画スイッチは入るが映し出されたのは明るく照らされた雲だけだった。
雷に近づいているのに撮ることができない・・・

Revenge 雪辱
ステップドリーダの全体像が撮影できる条件は、雷までの距離が近いこと、雲の高さが十分にあり見晴らしがよいこと。
なかなか条件がそろわない中、様々な場所で撮影を試みた。
しかしステップドリーダを捉えることができない。
数日後、巨大な積乱雲が発生。
ダーウィンの町が巨大な雲に覆われてゆく。
しばらくすると雷が落ち始めた。
十分な明るさがあり、雲に隠れずに見えている。
まさに潜在一隅のチャンス。

Strike it 大当たり!
取材班の真正面に落ちた大きな雷。
ハイスピードカメラで捉えた15000分の1の世界。
ステップドリーダは通常のカメラでは映らない。
見えない雷が地上に届いた直後、雷が落ちた。
通常のカメラに雷が映る前に、見えない雷ステップドリーダが動き出していた。
その姿はまるで植物の細い根が広がってゆくよう。
そして地上にいち早くついたステップドリーダに電気が流れ、稲妻が起こる。
この時光は下から上に向けて走っている。
実は私達がよく目にする雷の光は天空からではなく、地上から延びているのだ。
いったん雷の道ができた後は、天空と地上を何度も電気が行き来する。
肉眼では「雷は空から地上に向かって光っているように見えるのだ。
1コマ2万分の1秒の映像も捉えた。
ステップドリーダが進む1コマはおよそ50m、雲から出て地上につくまでの時間はわずかに0.05秒、枝分かれした1本1本が空気を破壊しながら曲がりくねって地上へ向かっている。
そして最初に地上と結びついた場所が雷の落ちる場所になっていた。

Together
帰国した河崎教授は研究室で撮影したステップドリーダの解析を行った。
これまでにない完全な形で撮影できたステップドリーダの映像から改めて裏付けられたことがある。
雷が落ちる範囲だ。
通常雷の発生場所の周囲10kmは落雷の危険が高いとされている。
今回撮影できたステップドリーダの広がりは直径およそ10km、確かに言われている通りの範囲に落雷の可能性があった。
新たな謎もでてきた。
この雷では右側のステップドリーダが一番早く地上と結びつく。
いくつもの候補の中でなぜこのステップドリーダがいち早くたどりついたのか。
はたして地上にステップドリーダを呼び寄せる何らかの要因があるのか。
謎は深まるが、河崎教授は今回の撮影で今後の研究の方向性を見出したという。
河崎教授「全体像を映し出すことができ、共存に向けての第1歩になった気がする。
落雷は防げないが機械は壊さないようにスイッチをオンオフする。」

Unique
被害を防ぐだけでなく、それを利用しようという試みも始まったいる。
九州大学農学部付属演習林、雷でキノコを増やすという実験を行っている。
九州大学キノコ学・大賀祥治教授「南米のペルー、アジアのモンゴルで、雷雨の後キノコがたくさん生えるという言い伝えがある。」
キノコの生える菌床に、落雷と同じような状態にするために、瞬間的に高電圧の電気を流す。
この刺激がキノコの菌糸に含まれる酵素に働きかけ、通常よりも大量で大きなキノコができる。
エリンギの場合、2倍もの大きさに成長する。
さらに生きた木の根にしか生えないマツタケの発生量を増やそうと、地上に電気をあてる実験にも取り組んでいる。
雷を思い通りに落とすことができれば、キノコの生産量を一気に増やせる。
その可能性に期待が高まっている。

Vivid 真に迫った
ストームチェイサーのマイク・オニールさんはこの日も撮影に向かおうとしていた。
見送るのは妻のナタリーさん、毎日のお出かけにすっかりお諦め顔。
この日マイクさんは夕食までには帰ってくると言ってでかけたが、撮影は深夜にまで及んだ。
雨季に入って1ヶ月あまり、マイクさんはようやく念願の迫力ある写真が撮影できた。
真に迫って撮った写真、しかしマイクさんは雷をただきれいに撮ることで満足しているわけではない。
マイク「どれくらいの雷が落ちるとか、身の守り方を伝えることができればよいと思っている。」

Wood
アボリジニの村、ユーカリの木で作った雷を表現する楽器ディジュリドゥ、父親が息子に吹き方を教える。
アボリジニの日常に溶け込んでいる雷への思いは親から子へと伝えられてゆく。
アボリジニの伝説・・・「稲妻は雷神が地上に向けて舌を出している姿。
雷が降り注ぐことで地上には陸ができた。
雷は私達の住む大地を造った。
雷は自然の恵みの象徴。
私達はそれを失ってはならない。」

XYZ 未知
雷はいまだに多くの謎に包まれている。
しかしその美しさにひかれ、謎の解明に情熱を燃やし、さらに雷を神と敬う様々な人々がいる。
彼らは今日も天空を駆け巡る神秘の光を見上げている。

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