ドキュメント鑑賞☆自然信仰を取り戻せ!

テレビでドキュメントを見るのが好き!
1回見ただけでは忘れてしまいそうなので、ここにメモします。
地球環境を改善し、自然に感謝する心を皆で共有してゆきたいです。
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先住民の叡智に学ぶ★熱帯雨林に維持される多様な文化〜南米大陸アマゾン源流


南米ペルーの北東部にあるイキトス、町の東側を流れているのが世界最大の流域面積を誇るアマゾン川。
河口からかるか4000km近くさかのぼったこの地でも、海抜はわずか100m、川幅は50m以上に及ぶ。
人々の暮らしを支えるアマゾン川からの豊かな恵み。

開発が進むアマゾン川の源流地域には、自らの文化を大切に守り続ける先住民族がいる。
彼らが受け継いできた様々な知恵は、今の私達に何を教えてくれるのだろうか。

月尾嘉男(東京大学名誉教授)「工業社会から情報社会への巨大な転換が進んでいるが、その社会の中心となる概念も大量生産を背景にする画一から情報の特質を反映する多様へと転換し始めている。
環境についても同様で、自然を開発して同じような環境をつくる時代から、自然を維持しながら利用する時代に転換しつつある。
ペルーは生物多様性について世界有数のホットスポットだが、とりわけアマゾンの源流地域は生物多様性よみならず、文化多様性についても誇るべき地域。

しかし17世紀以降、西洋諸国が生物資源を求めてこの地域に進出し、2つの多様性が急速に失われつつあり、将来が心配されている。
ところが最近自らの多様性の重要さに気付いた地域の人々が、自然と文化を多様性を維持しながら、地域を発展させようという新しい動きを始めている。
世界各地で発生している失われた自然を取り戻す1つの典型を探し求めて、このアマゾンの源流地域を訪ねてみたいと思う。」

日本から飛行機でおよそ20時間、南米大陸の北部に、世界最大の流域面積を誇る河川、アマゾン川がある。
本流の長さ6516km(世界第2位)、流域面積7,050,000k屐弊こβ茖碓漫
標高6000mを超えるアンデス山脈から流れ出た、いくつもの支流が熱帯雨林の雨水を集め、一体となり大西洋にまで注いでいる。
この地にいつ頃人類が住み始めたのか、確かなことは分かっていないが、遅くとも11000年前には、ユーラシア大陸のモンゴロイド系の人々が陸続きだったベーリング海峡を渡り、南米大陸に到達したと言われている。
今回アマゾン源流を旅するのは、東京大学の月尾嘉男名誉教授、情報通信が専門だが、世界の海や山を探訪する中で、自然の大切さを痛感、環境問題の解決に取り組んでいる。

アマゾン川上流に位置するイキトス、人口およそ80万人、川と熱帯雨林に四方を囲まれているため、町へと入る手段は船か飛行機しかない。
陸路で到達する事のできない世界最大の町ともいわれ、今も発展を続けているイキトス、そのきっかけはある植物だった。
パラゴムノキ(トウダイグサ科の常緑樹)、天然ゴムの材料となるこの植物を、西洋人が初めて目にしたのは18世紀の中頃。

以降ゴムブームに沸くイキトスの町に入植者達が大挙押し寄せた。

町の中心には、当時の面影を残す建物が今も残されている。
鉄骨と鉄板をボルトでつなぎ合わせた鉄の家。
エッフェル塔で有名な建築家ギュスターブ・エッフェルの設計。

1889年のパリ万博で展示されていたこの建物を買い取り、アマゾン上流よりわざわざ船で運ばせたのは、当時ゴムの取引で大金持ちとなったフランス人実業家。
しかしこの地に暮らす先住民族にとって、ゴムブームは悲劇の始まりだった。
ボラ族の酋長ウモパ・グワッコさん(38歳)、部族内で語り継がれてきた当時の悲惨な物語を語ってくれた。

「スペイン人と減住民との混血の人々がジャングルへと入ってきて、ボラ族など様々な部族を奴隷にし、ゴムの採取へと駆り出した。
ゴムを採取する際、奴隷達にはノルマが課せられた。
少ししか採取できない者は、薪集めを理由に森へと連れ出され、暴力を振るわれた上に集めた薪を使って焼き殺された。」
反抗するのは難しかったのか?
「当時の私達にとって、混血の人々は恐ろしい存在だった。
彼らに近づくと伝染病の観戦や、暴力を振るわれる危険もあったので、私達は近づくことさえできなかった。」

19世紀末には、およそ2万人いたとされるボラ族だが、今では9分の1(約2300人)まで減少。
さらに当時ボラ族が暮らしていたのはコロンビアの南部、襲いかかる様々な危険からのがれるため、500km以上離れた現在の場所まで辿りついたと言われている。

ボラ族の人々は今、どんな暮らしをしているのか?
ウモパさんの集落を訪ねる。

アマゾン川の支流へと分け入ることおよそ1時間、60人のボラ族が暮らしている。

▲運動場

集落の中には小学校や中学校、幼稚園も備わっている。

▲家族5人で暮らすウモパさんの自宅
町からそう遠くないボラ族の暮し、集落のはずれには・・・

▲マロカ(集会所)中は直径20m、高さ12mほどの巨大な空間
「今も皆でマロカに集まって集落についての話し合いを行っている。」

▲マングワレ
「これを使って様々な情報を伝達することができる。
楽器ではない。
遠くにいる人を呼び出すとき等に使う。
左の太鼓は女性を表している。(高い音が出る)
右の太鼓は男性を表している。(低い音が出る)
バチの先は天然ゴムでできているので音がよく響く。
男女の太鼓の音を組み合わせることで、人を名指しで呼ぶことが出来る。
この音を聞いて、名前を呼ばれた人がやってくる。」

名前だけではない。
どこで何をしてほしいのかまで、この2つの音で伝えることができるという。
「もっと大きなマングワレを使えば、25km離れても音が届く。
周りが静かであれば、さらに遠くまで届けることが可能。」

月尾教授を歓迎するため、ウモパさんがマングワレを叩くと、1時間後続々と現れたのは、周辺に暮らすボラ族の人々。
マングワレの音を聞き、マロカへ集まってきた。
今も大切に受け継がれているボラ族伝統の通信方法、しかし酋長ウモパさんには心配なことがある。
「ボラ族は今、伝統を忘れつつある。
“みんな集まれ”というメッセージは子供達も理解できるが、どう叩けばよいのかまでは分っていない。
こうした伝統は私達の財産なので大切に受け継いでゆきたい。」

月尾「現代の情報通信社会を象徴するインターネットの内部では、1日に世界中で約3000億通のメールがやり取りされている。
素晴らしい技術だが、残念ながらその9割に相当する約2700億通は迷惑メール等、不要なメール。
これを除去するために人々が使っている時間を金銭に換算すると、世界で1年間に160兆円にもなる。
これは世界全体のGDPの3%に相当する。

現代の情報通信社会は、このような大量の無駄の上に成立しているということができる。
一方ボラ族の伝統的通信手段マングワレは、必要な時に必要な人に、必要な内容だけを送信するという通信手段本来の姿を示している。
この一見素朴な手段から、私達は情報通信社会の将来を見出すことができるのではないか。」
ボラ族の女性達がカゴを手に出かけてゆく。

ここは集落全員の食事をまかなう大切な畑。
収穫しているのはユッカ(トウダイグサ科 イモノキ属)、国によってはキャッサバとも呼ばれ、日本ではタピオカの原料として知られる。
ボラ属ははるか昔から栽培してきた。

「この畑では3種類のユッカを育てている。
普通のユッカと、甘みの強いユッカ、さらに毒のあるユッカ。
3種類の中でも一番多く栽培しているのが毒のあるユッカ、そのまま食べると死んでしまうほど強い毒を持つ。
毒のあるユッカからはでん粉をたくさん採ることができる。
でん粉に加工すれば日保ちがよいので、数日間食べ続けることもできる。
普通のユッカからはあまりでん粉が採れない。」
どのようにして毒を取り除くのだろうか?
まず皮をむいてキレイに水洗いし、おろし金ですりおろす。

これを大きなザルへ。
手で押しながら水分を抜いてゆく。

1晩寝かせておいたユッカを椰子の葉で作った網に敷きつめ、さらに水分を抜いてゆく。
ユッカの毒は水に溶けやすいため、こうして何度も灰汁抜きを行うことで、次第に毒が抜けてゆく。
仕上げに数日天日で乾燥させれば、毒の抜けたユッカのでん粉の完成。

この粉から作るボラ族伝統の料理カサベ、粉のまま熱く熱した鉄板の上で5分ほど焼くと、パンのような生地が出来上がる。
ボラ族の食事には決して欠かすことができないという。
さらにユッカのでん粉は炒めるだけで大切な保存食になる。

「こうして加工しておけば、2年ほどは腐ることなく食べられる。(ファリーニャ)
遠いところへ行く時には必ずこれを持って出かける。
そのままでもいいし、水に混ぜて食べることもできる。」
中央アマゾンが発祥とされているユッカ、土壌が豊かでない場所でも、効率よく育つため、世界の生産量はここ50年で3倍以上増加、特に増えているのがアフリカ諸国や東南アジア、人口の増加に伴兄、食料不足が深刻化する今、このユッカに世界が注目している。

月尾「これまで南米大陸が世界を救った植物は数多くあるが、最大の貢献はジャガイモ。
インカ帝国を滅亡させたフランシスコ・ピサロは、大量の金銀と共にジャガイモをヨーロッパに持ち帰ったが、そのジャガイモが救った世界の飢饉は数多くあり、持ち去った金銀よりもはるかに価値があると言われている。
同様にマラリアの特効薬であるキニーネを造るためのキナノキや近代産業を支えた生ゴムを採集するパラゴムノキなども同様。

さらに現在70億人を突破した世界の人口に、新たな食料源を供給するなど期待されているのがユッカ。
ところがジャガイモ、キナノキ、パラゴムの木などを供給してきた南米大陸の人々が受け取った大小は殺戮、搾取、強制労働などだった。
しかしバイオ・パイラシー(生物資源を持ちだし、利益を独占する行い)が国際的に議論されるようになった時代、今回こそは正当な報酬が受け取れることを期待したいと思う。」

ボラ族の朝、酋長ウモパさんがどこかへ出かけてゆく。
やってきたのはジャングル、ナタを使って木の皮をはぎとり、服を作るという。
使うのはさらに内側にある軟らかい層、これを木の棒で叩きながら少しずつ伸ばしてゆく。
叩き続ける事およそ1時間、幅10cm程度だった樹皮が倍近くにまで広がった。
あとは木から絞った樹液を使い、生地に模様を描けば完成。
ボラ族の民族衣装ヤンチャマ、筒状に縫い付けてあり、男女ともつかーとのように腰にはく。

ボラ族の人々がこうして様々な工芸品を作り続けるのには理由があった。
工芸品として観光客に販売し、貴重な収入源となっているのだ。
早くから文明と接触せざるを得なかったボラ族の暮しには、近代化の波が押し寄せている。
いつ頃からお金を稼がないと生活ができなくなったのだろうか?

ウモパ「最初にお金と井う考え方を持ちこんだのは、集落に現れるようになった行商の人々。
米や砂糖はお金で買わなければ手に入れることはできない。
物を買うためにはお金が必要だと・・・
そこで初めて知った。
さらに私の娘が町の高校へ通うためには、毎日8ソル(約240円)が必要。
お金があれば娘に必要な交通費や生活費、学費等も支払うことができる。」

どのようにして収入を得るのか、アマゾン奥地の先住民族にとって大きな課題。
そんな中、新しい取り組みが始まっている。

アドレ・デ・ディオス川の支流、タリカヤ自然保護区、フェルナンド・ロッセンベルグさんは地元の人が定期的に収入を得るための方法を考え出した。
フェルナンド「ここは様々な作物を栽培している農場試験場、柑橘系の果物や花、パイナップル、バナナ、イモ類などを育てている。」

農業は土地さえあれば始められるため、簡単に収入を得る事ができる。
しかし問題が・・・
「この周辺で行われているのは森の影響が非常に大きい農業。
森を切り拓いて畑を作り、2年ほどでまた別の場所へ写って新しい畑を作る。
これ以上森を減らさないために、移動しない農業を行うのが私達の理想。」

土壌があまり豊かではないアマゾンの土地、1種類の作物だけを大量に栽培しつづけると、畑は2年ほどで痩せてしまう。
やみくもな農地の拡大は、アマゾンの貴重な自然を傷つける大きな原因の1つとなっていた。
一方フェルナンドさんが行っているのは様々な種類の作物を栽培することで、土地が痩せるのを防ぐ方法。
わずか100m四方の土地でも、収穫時期が異なる作物をうまく組み合わせることで、収入が安定するという。

フェルナンド「最小限の土地を、最大限に活かす農業ができれば、森に与える影響を最小限に抑えることができる。」
アマゾンで有名なマホガニーの木もこの方法で再生させることができるという。
高級木材として知られるマホガニー、丈夫で加工しやすいため、家具や楽器の材料として用いられている。
しかし行き過ぎた伐採によって、その数は激減、現在はワシントン条約によって取引が制限されている。

「アマゾンの貴重な森林資源、正確な数字はよく分っていないが、7年ごとに間伐を行い、それを出荷すればよいと考えている。
売るのは間伐材で、大きな木は残す。」
30年以上成長を待たなければ市場の価値がつかないと考えられてきたマホガニー。
しかし植林する際の密度を高くし、7年ごとに間伐を行えば、短い期間でも収入を得る事ができるという。
切り出した間伐材は様々な工芸品に加工することができる。

▲ランプスタンドの柱
「これが完成したら市場で約50ドル(約4000円)で売ることができる。
農家にとっては作物以外から得られる貴重な収入だ。」
森を破壊することなく貴重な収入を得るための様々な栽培方法、フェルナンドさんの取り組みは、今や90世帯の地元農家にまで広まっている。
気候変動と自然破壊との悪循環を解決できなければ、2030年までにアマゾンの森林の6割近くが消滅する。(WWF)
自然を守るための新しい取り組みが少しずつ実を結び始めている。

月尾「最近ハイゼンベルグの不確定性理論の見直しが話題になっている。(ミクロの世界は一定以上の精度で測れず、正確な位置と運動量を同時に知る事は不可能である。)
簡単にいえば、あちらを立てればこちらが立たないという内容。
これは人間社会の経済と環境の問題についても同様。
農業を発展させようとすれば、森林の伐採が進み、森林を守ろうとすれば、農業の発展を阻害する。
ところが今回訪れたアマゾン川源流地域では、その両方を両立させるような新しい動きが始まっている。
およそ120年前、ドイツの生物学者エルンスト・ヘッケルは、エコロジーという新しい学問体系を提唱した。
それは個別の生物をいくら深く研究しても、自然全体を理解することはできず、あらゆる生物の関係を研究することが重要だという意味。
そのような視点からすると、人間の経済活動であるエコノミーも、自然を保護しようというエコロジーも、十分に両立可能。
今回訪れたアマゾンの源流地域での様々な活動から、私達は両者を統合したエコロミーとでも呼ぶべき新しい学問分野を開拓してゆくべきだと思う。」

若い男女の結婚式、マロカの中に男達が新郎新婦が座る特別な席を組み立てる。
女性達は肉や魚等、ボラ族にとって御馳走となる食材で料理。
集落の皆が総出で祝ってくれる結婚式、主役の2人も作業に加わるのがボラ族龍の感謝の表し方。
普段はTシャツ姿の彼らも、この日は正装に着替える。
酋長の呼びかけで新郎新婦の入場、付き添っているのは2人の恩人だというナコード、結婚のためのものや資金を援助してくれた町のお金持ち。

まずは集落を代表して酋長の兄から御祝いの言葉を贈る。
「結婚おめでとう、絡み合うモリノ木のように、末永く一緒にいられるよう、皆で祈っています。
2人を分かつものはもはや死以外にはありません。」
緊張がほぐれてきたところで、マロカの中央へと招かれる新郎新婦。

♪これから家族になる2人へこの歌を贈ります。
新しい家族の調和が保たれるよう、元気な子供を授かるよう、そして死ぬまで永遠に幸せが続くよう、この輪があなた達を守り続けます。〜♪

♪新しい世代のために力を与えましょう。
家族に災いが起きないよう手を貸しましょう。
私達の守り神である大蛇アナコンダの加護があらんことを。♪

アマゾン川の源流地域で様々な伝統文化を大切に守り続けてきたボラ族、近代化の波が押し寄せる中、彼らの心の中に今も変わることなく息づいているのは様々な知恵を伝えてくれた先祖たちへの感謝とボラ族としての生きる誇り。

月尾「6500kmという距離を、およそ4万分の1という極めて緩やかな勾配で流れるアマゾン川を反映して、この流域に生活する先住民族の人々も10000年以上、極めてゆっくりとした変化の中で生活してきた。
しかし数100年前、西洋諸国が進出するようになり、彼らは激動の時代に直面するようになる。
その激動は残念ながら人々を豊かにするものではなく、数多くの苦難をもたらすものだった。
しかし現在その激動に巨大な変化が発生している。
国際連合の加盟国数は創立以来、およそ4倍近くに増えた(1945年創立時:51ヵ国  現在:1931ヵ国)
が、これは世界が統合から分割へ進んでいる証拠。
また産業は工業中心から情報中心の時代へ変化している。
そして観光についてもひたすら開発する時代から、環境を回復しようという時代に変化している。
これらは一言でいえば画一から多様への変化、そのような世界の変化の潮流を反映して、このアマゾンの源流地域でも新しい活動が始まっている。
これらの活動は世界の画一化の流れの中で、数多くの自然環境や伝統文化を失ってきた日本にとって大変参考になるものだと思う。
世界有数の辺境であるアマゾン源流地域で始まりつつある活動を参考に、私達は日本の自然と文化のあり方について新しい構想を考えるべきではないかと思う。

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