ドキュメント鑑賞☆自然信仰を取り戻せ!

テレビでドキュメントを見るのが好き!
1回見ただけでは忘れてしまいそうなので、ここにメモします。
地球環境を改善し、自然に感謝する心を皆で共有してゆきたいです。
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数学の歴史
先人の探求の足跡は、長年ファラオと共に眠っていた。
人間は光輝く物に心を奪われがち。
その陰で4000年以上の間眠っていたものがある。
世界の秘密の知識があふれ出す時が来た。

Part1 The Begining of Numbers 数学の始まり
ここは文明の源流を探る者の巡礼地。
この地は矛盾で満ちている。

砂漠と近接して続く農地、不毛な地と肥沃な地。
死せるものと生けるもの。
神話と歴史。
つまり太陽と月のように対局をなすものの自然な共存。

数学の始まりの地、エジプト・ルクソールへ。
ルクソールはかつて墓泥棒だらけだった。
かつてテーベと呼ばれたこの地には今も未解明の謎がある。
ラムセウム、ラムセス2世の葬祭殿で、パピルスの巻物が出土した。
紀元前1650年頃、アーメス書記は見習生のために問題集をまとめた。
これは2000年間代々使われて、国の問題解決の要となっていた。
これは数学の問題集。
当時は高官だけが数学を知っていた。
難問にぶつかり思案するアーメス。
彼は王国の未来図を設計する識者。

1日中吹き続ける砂漠の風。
文明発祥には厳しい環境だった。
当時の権力者はただ1人の人物、ファラオだった。
神々の中央に君臨するというイメージの維持には財力が必要。
ファラオは神殿を建てつづけた。

ファラオは民の安全と日々の糧を祈願し、民は崇敬と服従と労役をファラオに捧げた。
この暗黙の契約が約2000年も続き、神殿の建造と破壊が繰り返された。
カルナック神殿の広さはサッカー場の30倍で巨大な円柱が134本ある大列柱の神殿。
これは10ある塔門の第1塔門。

エジプト神話の神々の王アメンを祭った神殿。
円柱は高さ23m、円周が15mあり、大人9人が腕を広げやっと1周できる柱もある。
神々しい色彩で描かれた壁画。

‟隠れたもの”を象徴するアメンはファラオとエジプトの守護神だった。
アメン・ラーはアメンと古代の太陽神ラーが結合した神。

ここには別の神も祭られている。
古代エジプトには民の数だけ神がいたと
いわれている。
その中には数学の誕生に一役買った神もいた。
ナイル川の神ハピ。

1年中雨の少ないこの国で、ナイル川を毎年氾濫させた神。
エジプトは年間降雨量が少ない国。
でもナイル川には豊かな水がある。
なぜだろう?
ナイル川は全長6600キロの世界最長の川。
エジプトの南にある国々はよく大雨に見舞われる。
エチオピアやウガンダの雨季がナイル川を満たしている。
しかし古代の人はハピの恵みだと考えた。
上流から流れてきた土砂が三角州に堆積した。
そして水がひくと肥沃な土が現れた。
毎年肥沃な土ができる一方で、畑の境界線が消えた。
各自に土地を戻すのもファラオの重要な役目だった。
境界線を戻すには数学が必要だった。
曲線の境界線もあったので円の面積を出さなければならない。
円の面積の計算には3.14の円周率を用いる。
しかし当時は円周率が発見される前。
これがアーメスの問題集の50番目で、直径9ケトの円の面積の算出だった。

ケトとは?
最小の長さの単位はおそらく指の幅だった。
人間の体で測っていたのだ。
次に大きい単位は指の4本分の幅。
人間の体ではその6倍が指先から肘までの長さに相当する。
この長さが1腕尺。(キュービット)
そして100腕尺が1ケトだった。
9ケトを測るには大勢が並ぶ必要がある。
9ケトの測量には900人の腕が必要。
900人が腕を横にして横1列に並ぶのだ。
9ケトの面積を計算した方法は?
まず直径を9等分する。
そしてそのうちの1つを削除。
8ケトになる。

1辺が8ケトの正方形の面積は64平方ケト。
こうして円の面積を出したのだ。なぜこの正方形と円の面積が同じだと分かったのだろう?
64個の小石でできた正方形を円の形にしてみよう。
この縁の直径をなす小石の数は9個。
こうして正方形の面積とほぼ同じと結論づけた。
円周率で面積を計算してみよう。
答えは63.59となる。
2つの解の差は、誤差の範囲。

厳密な計算を要した理由を探るため、当時の貴族の墓を訪ねる。
メンナの墓(エジプト ルクソール)
埋葬されていたのは高位の役人で、麦の課税した人物。

彼の職務が壁に描かれている。
農業は国の主要な収入源だった。

公平かつ正確な徴税のため、詳細に記録する書記たち。
脱税者は罰せられた。

洪水の後毎年役人が測量を行った。
精密な土地の計測は徴税のためだったのだ。
早い時期から畑を耕す。
正確な土地の分配には図形の知識が必要だった。
つまり幾何学に頼っていたのだ。

計測のため縄に結び目を作り、図形を決定していった。
面積を出すには別の数学的概念、掛け算が必要。
面積の測定は重要なため、13の問題が記されていた。
三角形や長方形の土地は掛け算が必要。

どう計算したのだろうか?
例えば幅4m、奥行き5mの土地の面積を考えてみよう。
4×5、4の5倍は20。
古代エジプトには現代の掛け算がなかった。
ではどう算出したのか?
まず4この白い小石を左に置いて、右に黒の小石を1個。
次の左右に置く。
右は1の2倍で2個。
さらに倍の石を並べてゆく。
黒い石を5個にする。
この時左の白い石は20個。

これで計測は終了し農作が始められる。
足し算と引き算は当時と同じく現代でも重要。
こうした問題解決が今ある知識の礎となっている。

川の周囲に広がる幾何学には驚かされる。
エジプト、カイロ、ハーン・ハリーリマーケットは異世界への門。
通り沿いには数学の例題が多様にある。
物とお金の交換は、数学の完璧な用い方。
人間は直感的に数学を使って無意識に計算している。
物を見るだけで数を数え、量を測っている。
高さも測る。物によっては面積が大事になる。
数学的感覚のおかげで市場では脳が大忙し。
大きさや重さや数を把握する能力を、どのように得たのだろうか?

遠い昔、人類が遊牧生活をしていた時代は、見るだけでは羊の数がわからないので数えた。
羊の遊牧を覚えた人間は、羊が襲われないよう遠くで見張っていた。
距離感は生き抜くのに不可欠だった。
目に見える距離の測定は数学的直観であり、数学の起源の1つ。
数の計算はかなり後に生まれた。
多くの動物には人間に勝る距離感がある。
しかし人間はそれを超える進歩を果たした。
羊飼いが見る景色は毎日同じ。
羊たちや木々や岩、そしてほかの羊飼い。
人間はこれらを分類し始めた。
関連性に乏しいものを、どう分けたのだろう?
空と地上のものを分けたのだろうか?

生物とそうでないものだろうか?
食用と、そうでないもの?
ではこれは?

1・・・2・・・3・・・
こんな発想は人間だけ。
羊3匹と岩3つは同じ。
こうして人間は数の概念を発見した。
人間は容器に小石を入れて羊の数を把握し始めた。
数を数える小石を入れていた容器。▼

所有物を示すものなので貯金通帳と同じだと考えられる。
表面のくぼみは中の小石の数を表す。
最近まで考古学者はそのことを気付かなかった。
察しにくい数の概念だからだ。
その後容器も小石も不要になった。
しかし考え方は同じ。
この記号によって羊の数を把握したのだ。

人類は何万年もかけてこの単純な概念に至った。
幼児のヨチヨチ歩きのように、初期の数学はつたないものだった。
そしてついにこれを考案した。

古代エジプト人が生み出したヒエログリフには数学もあり模写した記号だった。
数字の「1」・・・木の枝。
「10」・・・馬の跡に似ている。

「100」は計測に使う縄。

結び目の数に由来している。
「1000」はナイル川地方でよく見られたスイレン。

「100万」のような大きな数の場合は?
驚いて両手を上げる人の姿で表していた。
数字の登場によって文明は飛躍的に発展した。

次に向かうのは人類史上もっとも荘厳な建造物の1つ、赤ピラミッド(エジプト ダハシュール)。
19世紀まで、これよりも高い建造物はできていない。
今より高度な数学があった可能性があり得る。
下への通路は予想外に狭く急勾配。

身をかがめて60m下る。
天井の高さは12m、どのように石を積んだのだろう。
石は少しずつずらして重ねているので最初に石を重さを計算したはず。
その緻密な計算のおかげで4500年間崩れないのだ。
表面は滑らかだが、重々しい雰囲気がある。

無数の労働力が投じられたはず。
約1万人が建造の労役についた。
労働者たちの衣食費は財政に甚大な影響を与えた。
ピラミッドは未解明の数学の存在を示す。

さらに別の場所でも発見があった。
ワーカーズ・ビレッジ▼

近年ギザのピラミッド付近で古代の村が発見された。
調査の結果ピラミッド建造の労働者の村と判明。
発掘で見つかった骨は男性のものだけでなく女性や子供の骨もあった。
つまり彼らは捕われた強制労働者ではなく、雇われていたようだ。
大規模な建設現場は通常近くに住居群がある。
当時は1家族に6〜7人子供がいた。
路地は子供だらけのはず。
労働者は8日連続で働き、2日続けて休み、病気などの場合は6日続けて休めた。
家族の食事を作る女性たち・・・
夫がいて妻がいる、子供たちがいる。
3000年前の暮らしは現代とほぼ同じった。

国は彼らに給料を払っていた。
通貨はまだなくパンで支払われた。
今日は労働者10人の給料日。
しかしパンが9個しかなかったら・・・
1人1個はもらえない。
もらえない者が出るのか?それでは困る。
不公平は争いを生む。
そこで新しい数を考案。
分数の誕生。
口の下に指2本が1/2。指3本が1/3。
指5本が1/5・・・
古代エジプトの分数は分子が1だった。

しかしなぜか2/3だけは例外だった。
これらの分数で分配を考える。
では9個のパンを10人に分けよう。
まず1番大きな分数の2/3を使う。
10人はそれぞれ2/3切れをもらう。
残りを10人に分けるのに最適な分数は?
1/2では10人に分けられない。
1/3は?
1/4は?
1/5なら分けられる。
残りの1/3は1/30にして10人に分ける。

1人の分配は2/3と1/5と1/30だった。
現代の数学では9/10で表す。
9個のパンは10人にいきわたり、公平な結果となった。
目には見えないが力を持つ数学のなせる業だ。
実は世界は数字の力で満ちているのだ。
84問を記録し終えた後、アーメスは序文を記した。
自分の名前と書写した年を書いて、少数の人だけが知る秘密を伝える本ができた。
万物に通じる入り口であり隠れた知識の扉を開く鍵、それが数学。
| poyo | その他 | comments(2) | trackbacks(0) | - |