ドキュメント鑑賞☆自然信仰を取り戻せ!

テレビでドキュメントを見るのが好き!
1回見ただけでは忘れてしまいそうなので、ここにメモします。
地球環境を改善し、自然に感謝する心を皆で共有してゆきたいです。
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神の数式2 宇宙はなぜ生まれたのか
はるか頂に浮かぶ美しい物体、この宇宙のすべてを表す神の設計図だと言ったら、一体何の話が始まるのかと思うかもしれない。

ここは天才物理学者たちの世界、宇宙はどこから来たのかという人類究極の謎に迫る物語の始まり。
去年ドイツで開かれた理論物理学の学会、世界中から天才たちが集まった。
理論物理学者というのは、その頭脳と数式だけで、この世の森羅万象を解き明かそうとする人たち。
今挑んでいるのは、史上最大の難問。
この宇宙はどこから来たのか・・・
ちょっと気が遠くなるような難問だが、実はその答のある場所も分かっているという。
スティーブン・ホーキング博士「そこは私たちの時空の概念が通用しない場所、その謎を解き明かせば宇宙の始まりを解明できるのだ。」

その場所とは、巨大な重力ですべてを飲み込むブラックホール、光さえも出てこられないその奥底を、もし数式で書き表すことができれば、宇宙のすべてを読み解けるというのだ。
それはいわば神の数式、でも一体どうやってそんな数式を求めるというのだろうか。
実は私たち人類は、すでに神の数式に最も近いと言われる数式を手にしている。
その1つが標準理論、ミクロの素粒子を完璧に表した数式。
そしてもう1つ、広大な宇宙を支配する重力の数式、一般相対性理論。
この2つを進化させ、1つに束ねることができれば、それこそが神の数式。
アインシュタイン以来100年にわたる物理学者たちの見果てぬ夢だった。
しかし神の数式への道は困難の連続だった。
数式は常識をはるかに超えた世界を突きつけた。
縦、横、高さと時間、4つの次元からなるはずの私たちの世界、なんと異次元が存在するという。
しかもこの世界がいつ崩壊してもおかしくないという数式の予言まで飛び出した。
天才たちの中には、精神に異常をきたす人さえ現れた。
今世界中で数式の予言を検証しようという動きが加速している。
アメリカの巨大国家プロジェクト、ブラックホールの重力を直接捉えようとしている。
数式は私たちがまだ見ぬ世界をいち早く示してくれる。
宇宙はどこから来たのか、スーパーコンピューターも解き明かせない究極の謎。
そこに純粋な思考だけで挑む物理学者たち・・・

アメリカ、コロラド州の山中に、物理学者たちの聖地ともいえる場所がある。
数々の大発見の舞台となってきたアスペン物理学センター。
その50周年を祝う記念の場に1人の老物理学者が招かれた。
ジョン・シュワルツ71歳、今や神の数式に最も近付いたとされる。
シュワルツが生み出した新たな数式、超弦理論、または超ひも理論という名前で聞いたことがあるかもしれない。
ごくごく簡単に言うと、これまでの常識ではミクロの点だとされてきた素粒子が、震える弦のような存在だというのだ。
神の数式を追い求めるシュワルツ、寝ても覚めてもひたすら数式を考え続けている。
コンピュータは、使わない。
コンピューターは、人間がプログラムした数式に基づいて動いている。
だからそもそも新しい数式を見つけることはできない。

研究の合間を縫って時折、山登りをしているシュワルツ、ロサンゼルス郊外の山の上に、神の数式を追い求めるきっかけとなった場所がある。

アインシュタインも訪れた天文台で、すごい発見があった。
137億年前、ビッグバンの爆発である1点から始まり膨張をしているこの宇宙。
そしてその事実はすでに、ある偉大な数式によって予言されていたという。
20世紀が生んだ物理学の巨人、アインシュタイン。

その名を歴史に刻んだ数式が、一般相対性理論だった。
巨大コンピューターもない時代に、遠い宇宙の動きを正確に表すことに成功。
宇宙誕生の謎を解き明かすと期待された。
一般相対性理論の数式↓

数式尾意味は意外と単純。
式の左側には空間の歪み、右側には物の重さやエネルギーを表す記号が書かれている。
つまり重さやエネルギーがあると空間が歪む、というシンプルな式なのだ。
重力というと、星と星が引き合って回っていると考えるだろう。
しかしアインシュタインの理論では、星の重さによって、周りの時空が歪み、その歪みに沿ってほかの星が動いている。
その星の歪みは、星が小さくて重いほど角度が急になり、強い力が働く。

アインシュタインは、この数式を使い大胆に予言した。
巨大な重力が存在するところでは、光さえも曲がる。
つまり数式が正しければ、大きな星の裏側に隠れて見えないはずの星の光が、重力によって曲げられ、見えるはずだというのだ。
そして予言は見事に的中した。

皆既日食、太陽の周囲に見える星々は、実際よりもずれて見える。
太陽の巨大な重力によって、遠くの星の光が曲げられたのだ。
宇宙がどこから来たのか、人類究極の謎を解き明かすと期待された一般相対性理論、しかし思わぬ落とし穴が見つかった。

指摘したのはスティーブン・ホーキング博士、車椅子の天才。
全身の神経が麻痺する難病と闘いながら、その頭脳1つで宇宙誕生の謎に挑んできた。
一般相対性理論が神の数式ではないということに気付いたのは、ある宇宙の研究がきっかけだった。
巨大な星が爆発した後に生まれ、強い重力ですべてを飲み込むブラックホール、そのもっとも深い部分こそがアインシュタインも見逃した盲点だった。
アインシュタインの理論では、小さくて重いものほど空間の歪みが大きくなった。
ではとてつもなく重く小さな点があったとしたらどうだろう。
空間はある1点に向かって無限に沈みこんでゆく。
これが理論上のブラックホール。
ブラックホールの数式↓

だいたいの意味をくみ取るとこんな感じ。
rはブラックホールの奥底との距離、奥底に近づくほど、D(空間の歪み)が大きくなる。
ところがブラックホールの奥底では、距離Rが0、つまり分母が0になってしまう。
これは無限大を意味する。
無限大、それは数式上計算不能ということを意味する。
つまり一般相対性理論の数式は、ブラックホールの奥底では通用しないということ。
宇宙誕生の謎を解き明かすと期待された一般相対性理論だが、ブラックホールの底だけは、どうしても説明できなかった。
そもそも、宇宙の始まりとブラックホールの底がどう関係してるというのか?
これまで数式が解き明かしてきたのは、実はビッグバンから10の-43乗秒たった後からの世界。
137億年前に生まれたとされる宇宙、誕生のまさにその瞬間だけが、人類に残された最後の謎。
そしてビッグバンの瞬間と数学上全く同じとされるのが、ブラックホールの底。
謎を解く唯一の鍵。
宇宙のすべてを記した神の設計図、物理学者たちがそこにたどりつくためには、無限大の問題を解消しなければならない。
そこで、物理学者たちに大胆な発想が生まれる。
一般相対性理論に、もう1つの数式を組み合わせてはどうか。
それは素粒子の数式。この数式、すさまじく正確で世界を形作る素粒子などのミクロの物質を完璧に書き表している。
なぜ2つの数式を合わせるのかというと、ブラックホールの底というのは、極限まで圧縮された超ミクロの点。
だからミクロの素粒子の数式を合わせることで、無限大の問題を解消し、宇宙誕生の謎を解き明かすことができると考えたのだ。
一般相対性理論と素粒子の数式、世界で初めて2つを合わせて神の数式を求めようとした物理学者がロシアにいた。
普段は人もほとんど訪れない郊外の森、そこに2つの銃弾の跡が刻まれた墓がある。
旧ソビエト連邦時代に非業の死を遂げた天才マトベイ・ブロンスタインの墓。
ブロンスタインの娘が存命している。
ブロンスタインは31歳で亡くなったが、そのことを半世紀以上も知らされずにいたという。
神の数式を求めるブロンスタインに、一体何があったというのか。
貧しい家に生まれ、独学で物理を勉強したブロンスタイン、当時の物理学者にとっても難解だった一般相対性理論と素粒子の数式を、わずか19歳で完璧に理解していたという。
ブロンスタインが挑もうとしたブラックホール、しかしその奥底を計算する前に、まず証明しなければならないことがあった。
それは身の回りのミクロの空間で、2つの数式がうまく融合するかということ。
ブロンスタインは、空間を素粒子よりもはるかに小さい超ミクロのサイズに区切って、そこに働く重力を計算した。

ブロンスタインがこの時使った2つの数式を最新の式に置き換える。
最初の部分はミクロの世界の計算ということを示している。
( )の中はミクロの物質やそこに働く力を示している。
ブロンスタインは、この式に一般相対性理論をそろえて組み込んだのだ。
すると意外な結果が現れた。
分母に0が現れた。
計算不能を意味するあの無限大・・・
正しい2つの数式を合わせたはずなのに、なぜこんな結果が生れるのか。
ブロンスタインは、さらに精度を高めて計算をすすめたが、最終的には無限大は、無限大個発生した。
その結果が意味するのは、つまり私たちの身の回りの空間は、実はミクロに見ると不安定で、無限大を生み出すブラックホールのようなものが満ち溢れているのではないか・・・
そのころソビエトはスターリンの時代となり、おそろしい事態が起きていた。

100万ともいわれる知識人や一般人に対する大弾圧だ。
自由な発想を持つ科学者にも、その矛先が向けられた。
しかしブロンスタインはそうした事態を気にもとめず無限大の問題に頭を悩ませ続けていた。
なぜ無限大が発生するのか、もしそれが正しいとすれば、この空間もいつか崩壊してしまうかもしれない。

そして1937年ブロンスタインは秘密警察に逮捕され、すぐに銃殺され、森の墓に埋められた。
宇宙の始まりを論じ、神の数式を求める行為が、危険な思想ととらえられたのではないか、今ではそう考えられている。
ブロンスタイン亡き後、半世紀近くにわたって神の数式への挑戦は続いた。
ノーベル賞を受賞した物理学者たちが無限大の問題を解消し、宇宙の始まりを解き明かそうとしたのだ。
しかしどんな天才もその壁を超えることはできなかった。
天才たちの前に立ちはだかった大きな落とし穴。
無限大の謎に挑むことは、人生を棒にふることと同じだ、そういってほとんどの物理学者が神の数式を目指すことを諦めた。
神の数式への挑戦が大きな転機を迎えたのは、1974年、なんと無限大の謎を解く数式を見つけたとうたった論文が登場した。『非ハドロン粒子の相対モデル』
プリンストンで知り合った全く無名の2人の若き研究者、論文を書いたジョン・シュワルツとフランスから来たジョエル・シャーク。

2人は当時誰も見向きもしなかった時代遅れの分野を研究していた。
それは弦理論という。
たとえば、物質の最小単位である素粒子、弦理論では粒子は点ではない。
様々な形をした震える弦のようなものだという。
この一風変わったアイディアは、見捨てられた古い物理学の数式を基にしていた。
そうした中、2人は弦理論を進化させ、超弦理論を提唱。
その数式が、一般相対性理論と素粒子の数式が解けなかった無限大の問題を解消することになる。
2人はどのようにして無限大の問題を解いたのか。
一般相対性理論と素粒子の数式を合わせた式↓

四角の部分はすべての粒子が点であることを意味する。
ミクロの世界で飛び交う粒子同士の間の力は、極々簡単に表すと、粒子の間の距離1/r2と表すことができる。
粒子が点だとすると、互いにぶつかった瞬間距離rは0になる。
分母に0が現れた。
つまり無限大が現れるのは、粒子同士の衝突の瞬間だったのだ。
でも、超弦理論では、粒子を点ではなく、輪ゴムのような形の弦だと考えていた。
輪ゴムのような形だとすれば、広がりがある。
なので粒子同士がぶつかっても、その輪の大きさ以下にはつぶれない。
衝突しても、距離rは0にはならず、無限大がでなかったのだ。
超弦理論は、半世紀近く物理学者たちを悩ませてきた無限大の問題を解消した。
そして宇宙誕生の謎に迫る可能性を開いた。

しかし物理学の主流派の学者たちは、なぜか超弦理論に目もくれなかった。
超弦理論はいまいち信用できない。
なぜならあの一般相対性理論と素粒子の数式とはかけ離れて見えるという。
それだけではない。超弦理論の数式を成り立たせる条件が、現実ではありえないものだったのだ。
どういうことなのか?
私たちの世界は、縦横高さの3次元に、時間を加えた四次元の世界だと考えられてきた。
しかし超弦理論の数式が成り立つのは、この世界が10次元の時だけだった。
10次元・・・異次元の存在に、多くの物理学者たちも耳を疑った。
超弦理論は物理学とも呼べない、こんな研究をする奴は締め出してしまえ、という声まで飛び交う。
シュワルツはノーベル賞を受賞した物理学の権威からも、たびたび皮肉を言われたという。
超弦理論が認められない中、重い糖尿病を患い、故郷フランスへ戻ったシャーク、なぜ10次元なのか、見えない異次元はいったいどこにあるのか・・・
シャークは何かにとりつかれたように異次元の研究に没頭していったという。
町中を異次元を求めてさまようシャーク、次第に仏教の世界に傾倒し、瞑想にふけるようになっていった。

そしてシャークは、突然34歳の短い生涯を閉じる。
部屋には、糖尿病の治療薬を大量に注射した跡が残されていた。
シャークの意志をついで、シュワルツは研究を続けた。
他の物理学者たちが華々しい業績をあげるのを横目に見ながら、ひたすら超弦理論にこだわり続けた。
最初の論文の発表から10年後、超弦理論に大きな転機が訪れた。
海を隔てたイギリスから新たな才能が研究に加わった。
マイケル・グリーン、ケンブリッジ大学で、あのニュートンやホーキングも務めた、名誉あるルーカス教授職の継承者だ。

シュワルツとグリーンの2人は、異次元の問題について、こんな風に考えることにした。
そもそもこの世が四次元でなければならないという証明はない。
数式が10次元と示しているのだから、自分たちの常識の方が間違っているのかもしれない。
2人は改めて超弦理論の数式が神の数式にふさわしいかどうか確かめることにした。
それは超弦理論の数式に、あの偉大な一般相対性理論と素粒子の数式がふくまれているかどうかを検証することだった。
複雑な計算を進めると、全く無関係に見える2つの数式が導かれ始めた。

そして数式に矛盾が生じていないか、最後の計算をしている時のことだった。
496という数字が数式に次々に現れた。
496、それは完全数の1つで、古代ギリシャ時代、天地の創造と関係があるとして崇められたいた数字。
その数が一斉に現れたということは、数式の中で、広大な宇宙とミクロの世界が美しく調和しているということを意味していた。
そして496という数字が表れたと同時に、超弦理論から一般相対性理論と素粒子の数式が矛盾なく導き出された。
シュワルツとグリーンの計算の結果は瞬く間に世界中に伝わった。
THE THEORY OF EVERYTHING 万物の理論、宇宙がどこから来たのかという謎に答える神の数式ではないのか、世界中の物理学者たちが雪崩を追って超弦理論の研究を始めた。
超弦理論は、物理学の最前線に躍り出た。
ところで多くの物理学者が最終的にその存在を受け入れた異次元、でも一体この世界のどこに異次元が存在するというのか。
次元というのは、動くことができる座標の数を指す。
例えばこの綱渡りの女性にとって綱は1次元、つまり線の世界。
彼女は前か後ろにしか進めない。
でもこの綱の上をはうテントウムシはずっと小さいので、ロープの上を線ではなく、2次元の面に見えるはず。
つまりより小さい世界に視点を移すことで、隠れていた次元が見えてくるということ。
では超弦理論が示した10次元の世界は一体どこに隠れているのか。
それは小さな小さなミクロの世界、原子の1兆分の1の、そのまた1兆分の1、超ミクロの世界。
そこに奇妙な形で丸まっているもの、これが物理学者が考える異次元の一部。
異次元は、超ミクロの世界に潜んでいるため、普段私たちの目からは見ることができないのだ。

あの偉大な2つの数式、一般相対性理論と素粒子の数式を含む、新たな超弦理論、この数式は、はたして宇宙のすべてを読み解く神の数式なのだろうか。
しかしその行く手には、まだ何やら不穏な空気が立ち込めていた。
ここで再び登場するのが車椅子の天才ホーキング博士、物理学者たちにブラックホールの無限大の謎を突きつけたあの人。
果たして超弦理論は神の数式の資格があるのか。
ホーキングが新たにつきつけたのはブラックホールの底に潜む別の難問だった。
それはブラックホールの奥底で発生している謎の熱にまつわる問題。
ブラックホールの奥底は極限まで凝縮されたミクロの1点、そこでは何1つ身動きがとれないはず。
素粒子さえ全く動けないのに、どうやって熱が発生するのか。
これはホーキングパラドックスと呼ばれ、物理学者たちの前に立ちはだかった難問だった。
ホーキングパラドックスを解くことができない超弦理論、ホーキングはブラックホールの熱を解くための数式、つまり神の数式は存在しないとまで主張した。

そうした中、超弦理論に若き救世主が現れる。
ジョセフ・ポルチンスキー、超弦理論をさらに進化させることに成功した。
超弦理論といえば、小さな震える弦のような粒子が飛び交うミクロの世界。
ポルチンスキーは学会の合間に立ち寄ったコインランドリーで1つのアイディアを思いつく。
洋服は、細い糸がたくさん集まってできている。
ミクロの世界でも粒子である弦は1つではなく、まとまっているのではないか。
たくさんの弦が集まると、興味深い現象が起きる。

もっと弦を加えてみると・・・
これらは結合し、重要な性質を持つものになる。

数式から導き出されたのは、弦が1つ1つではなく、膨大な数が集まって膜のように動いている現象だった。
ポルチンスキーの発見を受けて世界中でブラックホールの謎の熱について計算が進められた。
そして膜の数式を新たに加えたことで、超弦理論はブラックホールの熱を計算することに成功した。
それはこんなイメージ。

ブラックホールの奥底で凝縮し、動かないと考えられていた粒子。
しかしブラックホールのそこにも異次元が存在した。
その異次元で、膜状に集まった弦が動き回り熱が発生していたのだ。
ブラックホールの謎の熱を計算する数式は存在しないと主張したホーキング、自らもその問題の検証を続けた。
そして2004年、ホーキングは、自ら会見を開き誤りを認めた。
ホーキングパラドックスを乗り越え、さらに進化した超弦理論、この数式で、人類はいよいよ宇宙誕生の謎を解くことができるのか・・・
無限大、異次元、ブラックホール、神の数式を求める物理学者たちの遥かな道のり。
宇宙最初の姿が垣間見えてきた。
今、超弦理論の予言を検証しようという動きが世界中に広まっている。
ヒッグス粒子を発見した世界最大の素粒子実験施設CERN、次なるターゲットの1つが異次元の発見。
巨大な加速器を使ってミクロの世界に隠れている異次元をあぶりそうとしている。
そして神の数式を求める物理学者たちの闘いの舞台となったブラックホール、世界各国がその入り口を直接観測しようとしのぎを削っている。
注目を集め続ける超弦理論、その生みの親シュワルツ、見捨てられていたアイディアから、新たな理論を構築し、神の数式に近づけてきた。
71歳のシュワルツ、命あるうちに宇宙誕生の秘密にはたどりつけないかもしれない、そう思い始めている。
私たちの宇宙はどこから来たのか、最新の数式が描く宇宙は11次元、しかも10の500乗個という想像を超える数の宇宙が存在しうるという新たな難問も現れている。
宇宙の神秘を紐解く神の数式、それは人類のあくなき探求の証なのだ。
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雪舟『四季山水図巻』
山水画というのは、自分が山水の地に行った気分で楽しむもの。
この16mの絵巻の中を旅してみよう。

岩登りはきついけど、汗と一緒に世俗の垢も落ちてゆくような気がする・・・
古の中国の文人たちは、うるさい世間を逃れ、こんな山奥に隠れ住んだという。
ああいい眺め・・・春霞ですべてが幻のようだ。

遥かなる春景色、鶯が鳴いて、木の緑と花の紅が照りかえる。
多くの楼閣が春雨に霞んでいる。

それにしてもこんな山奥にも家があり、人の営みが・・・
どんなわけでここに暮らすようになったのか聞いてみたいものだ。
あれはひょっとして酒好きの詩人・李白では?
李白さん、なんでここに住んでいるのですか?

世に問う、何の意か碧山に棲むと
なぜこんな緑深い山中に住むのか?
笑って何も答えたくないな、ここにいると心が安らかなんだ。
桃の花が流れに散り、はるか遠くに去ってゆく。
ここは俗世を離れた別天地なのさ。

こんどはどうやら湖のほとりの村に来たようだ。
窓から文人たちがゆったりと酒を飲む姿が見える。
これぞまさに李白の世界。
二人が酒を酌み交わす傍らに山の花が咲いている。
一杯一杯もう一杯、わしはもう酔って眠たくなった。
おぬしはひとまず帰れ、明日よかったら琴を持ってまたおいで。


舟の上、洗濯物を干したり、植木を愛でたり・・・ああのどかだなあ・・・

さざ波が立ち、水が煌めくのは晴れてこそ美しい。

霧に煙るおぼろげな山の姿は雨ならではの美しさだ。 
またしてもそそり立つ岩山だ。
波にえぐられ、人を寄せ付けないようなでっかい岩。

その岩の洞穴に文人が涼んでいるようだ。
あれは役人がいやで田舎暮らしをした詩人の陶淵明ではないか。

人の命には、木の根のようなしっかりとした拠り所がない。
あてどなく舞い上がる路上のチリのようなものだ。
風のまにまに吹き飛ばされ、この世から姿を消す。
人生は無常ですか?淵明さん?

だから嬉しい時には心行くまで楽しみ、仲間と一緒に酒を飲むがよい。
若い時は二度と来ないし、一日に二度の朝はない。
楽しめるときには楽しもう。
歳月は人を待ってはくれないから。

時に及んでまさに勉励すべし、歳月は人を待たず・・・
勉励すべしとは、勉強にはげむべしではなく、楽しめるだけ楽しもうという意味だったのか・・・

夢、幻のように儚いこの人生、なんで塵まみれの俗世間に身をつなげていられようか・・・
季節は巡る。年をとればとるほど早く巡る。
人気のない山中、雨上りの今、辺りの気配も夕暮れ時、ひときわ秋らしい。
この秋の風景の中にいつまでもとどまっていたい。
水辺の村にも秋がきて人影もまばら、心なしか侘しげだなあ。

晴れた日には散歩や畑仕事、また丘に登って口笛を吹いたり、清流を前にして詩を作る。
こんな風にして自然の変化に身をゆだね、命の終わるのを待ち受ける。

かの天命を楽しみてまた何をか疑わん。
天命を素直に受け入れて楽しめばもう何の迷いもなくなる。

どこからかざわめきが聞こえてくると思ったら、山の中でこんな賑わい。
祭なのか、それとも市でもたっているのか。
老いも若きも、ロバもいる。

でもどこか変だなと思ったら女の人がいない。
この賑わいも、木枯らしが吹いて消えてしまった。

立派な館で何やら宴が・・・
陶淵明、李白もいる。

花に嵐のたとえもあるぞ。
さよならだけが人生だ。


いったんこの地に別れを告げれば君は根無し草のように万里をさすらい行くのだ。
漂う浮雲は旅人である君の心。

沈みゆく夕日は引き止める術を持たない私の思い。
君が手を振ってここから去れば、蕭々として寂しげに馬までがいななく。
 
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